関根ウィメンズクリニック

日本人女性の12人に1人が乳がんにかかかるといわれ、女性の壮年層(30~64歳)のがんの死亡原因のトップが乳がんであり、年間に1万人もの方が亡くなっています。

あなたの乳房の健康を守るのが、乳腺科です。
最近では、20~30代の若い方にも乳がんが増加しており、楽しいはずの人生が途中で頓挫することのないよう、日頃から乳房に関心を持ち、自己触診と定期的な画像診断を受けるよう心がけましょう。乳がんは早期発見・早期治療が重要で、早期に発見できれば95%は完治します。
自分の健康を守る主役はあなた自身です。私たちは脇役としてできる限りサポートをさせていただきます。
乳腺科では、マンモグラフィ検査や超音波検査などの画像診断を併用した検査を行い、細胞診や組織診により、乳がんの診断がついた方には、手術件数が多く、病理医、放射線科医、腫瘍内科医などとも連携がとれている、信頼できる病院をご紹介させていただいております。
当クリニックは、マンモグラフィ検診施設画像認定A評価を受けており、日本乳がん検診精度管理中央機構の認定読影医師と、女性の認定撮影技師が検査を担当しておりますので、どうぞご安心ください。
また、当クリニックでは手術、術後補助化学療法は行っていませんが、それ以外の術後ホルモン療法をされている方も含め、術後のフォローアップはしています。

医療連携施設
・がん研有明病院乳腺センター
・聖路加国際病院ブレストセンター
・日本大学医学部付属板橋病院乳腺外科
・順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺センター
・順天堂大学医学部附属練馬病院乳腺外科
・帝京大学医学部附属病院乳腺外科
・東京大学医学部附属病院乳腺内分泌外科
・東京医科大学病院乳腺科
・吉本ブレストクリニック(東京高輪病院で吉本医師が執刀します)
・埼玉医科大学総合医療センターブレストケア科

国立がん研究センター がん対策情報センター
日本乳癌学会

乳腺検査と治療

問診  
  
触診  
  
マンモグラフィ検査
超音波検査
乳がんの疑い 悪性が否定できない場合
 
細胞診や針生検
(組織診)
異常なし
良性所見
 
乳がんの確定診断 定期検診
  
乳房MRI
胸腹部CT
骨シンチグラフィ
PET-CT
 
(乳がんの状態や拡がり、転移の有無をチェックします)
 
治療方針の決定 
(乳がんの進行具合、性質、患者さまの希望なども考慮して決定)
 
  • 手術療法
  • 薬物療法
    (抗がん剤療法、分子標的療法、ホルモン療法)
  • 放射線療法
  • 緩和療法
 

マンモグラフィ検査

乳房のX線撮影のことをマンモグラフィといいます。乳房はやわらかい組織のため、専用のX線撮影装置を使用します。
撮影時は、上半身裸になっていただき、透明な板で乳房を挟んで均一に押しながら写真を撮ります。この圧迫の際に少し痛みを感じる方もいらっしゃいます。通常は立体的な乳房全体をフィルムにもれなく写すために、左右の乳房を各々2方向、計4回撮影します。検査時間は15分程度です。

特徴
早期乳がんの唯一のサインである、石灰化(がん細胞が死滅してできるもの)を写し出すことができます。
過去のフィルムとの比較により、組織の微妙な変化もとらえることができます。
乳腺密度が低い40歳以上の方とか、乳房が大きく、深部まで超音波が届かない場合には適しています。
乳腺濃度(密度)とは?
乳腺組織が乳房内にどれだけ存在するか、その割合を乳腺濃度(密度)といいます。
乳腺濃度は、年齢、妊娠、閉経など様々な要因で変化し個人差があります。
マンモグラフィでは、脂肪組織や空気は黒く、乳腺組織は白く写ります。また乳がんも白く写るため、乳腺濃度(密度)が高い乳房の場合は、雪の中に白いうさぎを見つけるようなもので、病変を見つけるのが難しくなります。
石灰化とは?
石灰化とは、カルシウムの沈着のことで、一部の壊死したがん細胞にカルシウムが沈着する「悪性の石灰化」と、乳管からの分泌物が結晶化し、カルシウムが沈着した「良性の石灰化」があります。マンモグラフィでは、石灰化は白い粒としてはっきりと認識できるので、しこりを触れない早期の乳がん発見にはとても有効です。ただし石灰化の多くは良性の石灰化で、乳腺症や線維腺腫などの良性疾患でも認められます。
圧迫はなぜ必要なの?
ぶれのない写真がとれます。
乳房を薄くすることで、X線の透過を少なくして、被爆を軽減させます。
隠れた病変を描出できます。
被爆量は大丈夫なの?
1回の撮影で乳房が受ける線量は、0.05~0.15mSvです。日常生活の中で知らずに浴びている自然放射線(宇宙線)は、1年に2.4mSvといわれており、このことからも必要以上に恐れることはありません。ちなみに、東京からサンフランシスコまで飛行機で行くときに浴びる自然放射線量は 0.04mSvです。
マンモグラフィ撮影に適した時期は?
他の時期でも問題はありませんが、できれば生理3~7日目の、乳房が柔らかい時期に検査を受けましょう。また制汗剤やパウダーなどは、“石灰化”と間違うことがありますので、よく拭き取ってください。

NPO法人 乳がん画像診断ネットワーク

マンモグラフィ検診施設画像認定証

超音波検査

最近は、20代30代の若い方にも乳がんが多くみられるようになってきています。この年代は乳腺が発達しているため、マンモグラフィでは病変がはっきりしないことが多く、超音波検査の方がよくわかることがあります。乳腺密度が比較的高いといわれている日本人女性には、マンモグラフィと併用することでがんの検出率があがります。

特徴
手に触れない小さなしこりを発見できますが、石灰化はとらえることが難しいのです。
痛みや被曝を伴うことなく、乳房の内部が分かります。
適している方
妊娠中や授乳中の方
乳腺密度が高い若年層
強い乳腺症の方
たびたび検査が必要な方
乳房に痛みや外傷がある方

検査費用

自覚症状のある方(しこり、痛み、張り、違和感、乳首からの分泌物、かゆみやただれのある方、何となく気になるという方など)
保険診療の対象になりますので、必ず健康保険証をご持参ください。
当クリニックでは、異常があれば、超音波を見ながら病変に細い針を刺して細胞をとってくる細胞診や、局所麻酔をして太めの針で組織をとってくる針生検や超音波ガイド下マンモトーム(組織診)まで行い、良性・悪性の鑑別をします(病理診断は信頼できる、日本医科大学付属病院病理科の土屋真一先生にお願いしています)。なお、マンモグラフィのみで見える石灰化病変に対して、ピンポイントで確実に診断した方がよいと判断した場合には、マンモグラフィガイド下(ステレオガイド下)マンモトームができる施設をご紹介いたします。
費用は、生検が必要なければ4,000円ほどです。生検が必要な場合は、検査のアプローチ方法の違いで費用が異なりますので、事前にご説明いたします。
また、すでに検診を受けていたり、他の病院で精密検査をすすめられた方は、これまでの検診結果や紹介状をご持参ください。より詳しい検査や手術が必要と思われる方には、信頼できる病院に責任を持ってご紹介させていただきます。
乳腺ドック(自覚症状の全くない方)
当クリニックでは、触診、マンモグラフィ検査、超音波検査をセットで行い、検査費用は自費となりますが、診察の結果、もし乳房の病気が見つかった場合には、保険診療の対象になりますので、必ず健康保険証をご持参ください。
自分の健康への投資と考えてみましょう。
検査費用(自費)
触診 + マンモグラフィ + 検査超音波検査 12,000円
マンモグラフィのみ 8,000円
超音波検査のみ   4,000円

※乳腺科、乳がん検診を希望される方は、お電話での予約をお願いします。

乳腺科予約専用電話
TEL 03-3931-5245

おすすめ検診メニュー

年令によって有効な画像検査が異なります。マンモグラフィのみでは、10~15%わからない場合があるといわれており、超音波検査の併用が必要となります。乳がんの死亡率減少効果を証明できたわけではありませんが、40代女性に対して、マンモグラフィに加えて超音波を行うと発見乳がんは増加し、早期乳がんが増加し、中間期がんが減少したという結果が出ています(日本での大規模ランダム化比較試験)。

  • 30歳を過ぎたら、定期的に超音波検査を受けるようにしましょう。
  • 40歳を過ぎたら毎年、マンモグラフィ検査を受けるようにしましょう。
30代
月1回の自己触診
マンモグラフィ
(前半と後半の2回)
超音波検査
(2年に1回)
40 ~ 60代
月1回の自己触診
マンモグラフィ検査
(毎年)
超音波検査
(毎年)
70代
月1回の自己触診
マンモグラフィ検査
(2年に1回)

若年乳がんと遺伝子検査

乳がんは増加傾向にあり、最近では、35歳未満の若年者が乳がんになることが多くなっています。その数は3000人ほどといわれています。
近年、がんに対する集学的治療の進歩によって、多くの患者さんが「がん」を克服できるようになってきましたが、若年患者さんに対するがん治療は、性腺機能不全、妊孕性の消失、そして早発閉経などを引き起こすことがあります。これらの対策として、生殖医療の進歩により、卵子凍結、受精卵凍結、卵巣組織凍結などを挙げることができます。がんと診断されたら可能な限り早急に、がん治療開始前に、妊孕性温存の可能性を検討する必要があります。
その際、がんの種類、がんの進行の程度、選択される治療法、治療の開始時期、現在の年齢、配偶者の有無などの要素が重要になってきます。

厚生労働省 若年乳がん患者のサバイバーシップ支援プログラム
NPO法人 日本がん・生殖医療研究会

乳がんの発症には遺伝的要因も関与しており、主な原因遺伝子としてBRCA1,BRCA2が知られています。BRCA1/2いずれかの変異を持つ人 の80%は70歳までに乳がんを発症し、BRCA1変異の保有者の40%が、BRCA2変異の保有者の20%が、やはり70歳までに卵巣がんを発症すると いわれています。

ファルコバイオシステムズ 遺伝性乳がん卵巣がん

自己検診

月経が始まって5~7日目が、乳房の張りや痛みが少なく、自己触診に適した時期です。閉経後や子宮摘出後の方は、毎月、日にちを決めて、定期的にチェックしましょう。

触れてチェック
指先をそろえて10円玉大の「の」の字を書くようにして、乳房、わきの下までまんべんなく動かして、しこりがないかチェックをしましょう。入浴時に石けんをつけるとよいでしょう。
見てチェック
鏡の前に立ち、腕を高く上げたり下げたり、後ろに組んだり、いろいろな姿勢をとって、チェックポイントを参考に乳房を観察します。
チェックポイント
  1. 1 左右の乳房に形の変化はありませんか?
  2. 2 ひきつれやくぼみはありませんか?
  3. 3 赤く腫れた部分はないですか?
  4. 4 乳頭がただれていませんか?
  5. 5 乳頭をつまんで分泌物が出たりしませんか?
  6. など
乳がんにかかりやすい方
年齢が40歳以上の方
出産経験のない方
初産が30歳を過ぎてからの方
授乳経験のない方
近親者(とくに母や姉妹)に乳がんにかかった方がいる
閉経が55歳以降の方
肥満や、食事などで脂肪摂取の多い方